クレジットカード会社が、ほかの企業と一緒に発行する「提携カード」について、条件を見直したり、
廃止したりする動きが相次ぐ。これまで年会費を無料にするなどして会員数を競ってきたが利用が思うように伸びず
コストだけがかさんでいるためだ。
大手のセディナは、ショッピングセンターや家具店などを展開するベイシアグループとの提携カード
「ベイシアグループBカード」について、4月から盗難や旅行時の保険を付けるかわりに、年間利用額が5万円未満の
場合には1312円の年会費を徴収する。これまで年会費は無料だった。
会員の退会も予想されるが、「利用の増加につなげたい」(広報)との狙いだ。JCBは、ゲーム会社と提携した
「バイオハザードJCBカード」など、数十の提携カードをこの1年で廃止した。
5年ほど前のピーク時に500前後あった提携カードは、今では300程度まで減っているという。こうした傾向は、
三菱UFJニコスなどほかの大手も同様だ。提携カードに力を入れたのは、カード会社は独自の店舗を
ほとんど持たないからだ。小売店などと提携し、店先で勧誘してもらうことで会員数を増やす戦略だった。
カード製作費の大部分はカード会社が負担し、発行枚数に応じた手数料も提携先に支払う。
今では1枚あたり「500〜1千円が相場」(大手担当者)というが、かつては3千円程度支払うケースも
珍しくなかった。
年会費を永久に無料にするなど、「とにかく会員を増やす目的だった」(大手カード会社)。
ただ、2007年度にクレジットカードの発行枚数は3億枚を突破し、1枚あたりの利用額はむしろ減少傾向に。
利息が取れるキャッシング(現金借り入れ)や分割払いの利用は年々減少。
一方、カードが使える加盟店は獲得競争が激しく、利用に応じてカード会社が得られる手数料率は
年々低下しているという。
提携カードは、引っ越し会社や小規模な居酒屋チェーンなど、繰り返しの利用が考えにくい会社にも広がり、
「最初に使ったらそれっきりゴミ箱行き、というカードも増えた」(大手)。カードの発行や維持管理にはコストがかかり、
「年数万円の利用が無ければそのカードは赤字、と言わざるを得ない」。
収益改善のために各社が打ち出しているのは、利用率を上げるための施策だ。
三菱UFJニコスは、自社カードを使うとポイントが通常より多く付くショッピングサイトを強化中。
提携カードをやめて、ショッピングサイトに参加する提携先もあるという。
JCBは4月から、年会費の高いゴールドカード保有者の一部に、世界各国の主要空港のラウンジが
利用できるようにするなど、サービスを拡大する。条件は2年連続で年間100万円以上利用することだ。
一方オリエントコーポレーション(オリコ)は、提携先に頼る会員集めから、インターネットを使うなど自社での
会員獲得にシフトしている。